今回は、HEGEMONYについて、公開されているルールブックを少し噛み砕いてゲームの流れを紐解いていくこととする。
なお、紹介記事を別途書いているのでまずはそちらを見て欲しい。
ゲームの流れ
ゲームは5ラウンドを通して勝利点を争う。
各ラウンドは複数のフェイズに分けられ、それぞれに独自のステップが存在する。
フェイズについては以下の通りである。
- 準備フェイズ
- アクションフェイズ
- 生産フェイズ
- 選挙フェイズ
- 得点フェイズ
HEGEMONYは担当する階級ごとにゲームプレイが変わる非対称ゲームだ。
よって今回の記事では各フェイズにおける一般的な説明に留めることとし、別記事にて各フェイズでの階級別の動きについて紹介したいと思う。
準備フェイズ
準備フェイズでは、新たなラウンドの始まりとして各種設定を行う。
ラウンドマーカーを1つ移動させた後に、各プレイヤーは自分の階級ごとのアクションを実行していくこととなる。
ここでのアクション順序もまた各自異なってくるので、プレイヤーエイドを参照しながら進めたいところであるが大方以下のようになる。
- ラウンドマーカーの移動
- 借金の利息支払
- 繁栄力を落とす
- イベントカードと政治アジェンダカードを明らかにする
- アクションカードを引く
- 新たな企業を明らかにする
- 取引情報と輸出カードを引く
- 新たな労働者を獲得し、人口を調整する
その後、アクションフェイズへと移行する。
補足説明
1ラウンド目はスキップ。
アクションフェイズ
HEGEMONYの中核がこのアクションフェイズだ。
プレイヤーは自分の手札よりアクションカードを1枚プレイし、自身の目標を達成しようとする。
これを5回繰り返すのがこのフェイズになる。
各プレイヤーは手札として7枚ずつアクションカードを持っているので、アクションフェイズが終わるときには2枚のアクションカードが残っていることとなる(次ラウンド持ち越し)。
この際のプレイ順は以下の通り。
- 労働者
- 中産階級
- 資本家
- 国家
そして肝心のカードアクションだが、大きく分けて2つの使い方ができる。
「カードの効果を適用する」か「カードを捨てて基本アクションを行う」かだ。
「カードの効果を適用する」のはそのカードに書いてあることを実行することを示すが、注意したいのは使うカードの要件を満たしているかどうかだ。
要件が満たされていない場合はもちろん効果を適用することはできない。
そして「カードを捨てて基本アクションを行う」とは、カードに書いてあることは無視して、それぞれの階級ごとにセットされている基本的なアクションを実行することができる。
プレイヤーはこのアクションのどちらかを行なった際、その前後で「フリーアクション」を使用することができる。
このフリーアクションもまた階級ごとにやれることが違う。
この流れを全員が5回繰り返すのでかなり時間を要するフェイズになりそうである。
生産フェイズ
生産フェイズでは、さまざまな企業が商品やサービスを生産し、その中で働く労働者に賃金が支払われる。
その後、人々のニーズが消費され、税金が支払われる。
ステップは以下の通りだ。
- 商品とサービスの生産
- ニーズの消費
- 税金の支払い
また、生産フェイズではプレイ順序がアクションフェイズと逆になる。
つまり、国家→資本家→中流階級→労働者の流れでこのフェイズは進んでいくこととなる。
商品とサービスの生産
企業を管理する労働者階級以外のプレイヤーは、各企業ごとに賃金を支払うこととなる。
そうすることで企業は商品やサービスを生み出し、リソースを保管することができる。
ニーズの消費
このステップは中産階級と労働者階級のニーズを消費をすることだ。つまり、彼らの人口に等しい食料を消費するのだ。
もし十分な食料を持っていない場合、彼らはあらゆる供給源の組み合わせから購入しなければならない。
もしそのための資金がないならば、借金をしてでも食料を調達しなければならない。
税金の支払
プレイヤーは現在有効な課税政策に基づき、国家に税金を支払う。
各階級が支払う税額については独自のセクションが存在する。
忘れやすいルール
税金はサプライに支払うのではなく、国家が管理する国庫に保管される。
選挙フェイズ
このフェイズでは、アクションフェイズで立案された法案が可決されるかどうかを判断するための選挙が行われる。
補足
もしアクションフェイズで法案が提出されてなければこのフェイズはスキップされる。
ステップは以下の通り。
- 巾着に投票キューブを投入
- 法案について、賛否を表明
- 選挙の実施
- 影響力を使用するかどうか、一斉に開示
- 選挙結果を反映
ここでの順序はまた通常に戻り、労働者→中流階級→資本家→国家となる。
巾着に投票キューブを投入
選挙の実施前、国家を除くプレイヤーは投票キューブを巾着へ入れる。
労働者階級は人口の半分に等しいキューブを(切り上げ)。
資本家は運用中の会社の数の半分のキューブを(ワーカーがいるか、完全に自動化されている会社の数、切り上げ)。
そして中産階級は前2者のうち、高い数値と等しい数のキューブを。
国家には独自のキューブが存在しないため、巾着には何も入れないが、代わりに他3つの階級のうち一番正当性の低い階級の数だけ影響力を得ることができる(詳細は国家独自のセクションを参照)。
選挙の実施
法案ごとに選挙が実施される。
選挙の際は、まず通常の順番通りに賛成なのか、反対なのかを表明する。
もちろん法案を提出したプレイヤーは賛成であり、ここで棄権することはできない。
表明後、巾着からランダムに5つのキューブを取り出し、それらを1票としてカウントする。
しかし、ここで各プレイヤーは影響力を使うことができる。
プレイヤーボード上の影響力マーカーを好きなだけ握り、一斉に明かす。
その数も加味し、最終的な投票の結果が決まるのだ。
賛成多数(同数含む)の場合
法案は可決され、法案を提出したプレイヤーはすぐに3勝利点を獲得。
また、法案に賛同した他プレイヤーも1点を獲得することができる。
その後、政策マーカーを動かし、法案マーカーはプレイヤーの手元に戻る。
反対多数の場合
法案は無効になり、勝利点も発生しない。政策マーカーは止まり、法案マーカーだけプレイヤーの手元に戻る。
注意: VPは法案が可決された場合にのみ授与される。また、法案が可決された場合でも、実際に少なくとも1票(投票キューブまたは影響力)で貢献した支持プレイヤーのみが1VPを獲得する。これは法案を提案したプレイヤーには適用されない – 彼らが提供した投票以外に貢献しなかった場合でも、支持プレイヤーの投票によってのみ勝利した場合でも、彼らは法案が可決された場合に3VPを獲得する。
結果が決定された後、勝者側のすべてのキューブとプレイヤーが使った影響力を捨て、負けた側のすべてのキューブをバッグに戻す。
次の政策に移る前に、政策の変更によるボードへの変更(たとえば、財政政策による公開企業の増加、労働市場による賃金の変更など)を適用する。
すべてのプレイヤーが選挙で同じ表明をした場合(それによりデフォルトでの通過が引き起こされる場合でも)、袋から5つのキューブを引き、全てを破棄する。
また、袋に投票用キューブがなくなった場合、前述した「投票キューブの投入」ステップを2回実行してから引く。
すべての選挙が終了したら、次のフェイズに進む。
得点フェイズ
このフェイズでは、プレイヤーは進行状況によって追加の勝利点を獲得する。
また国家は、アクションフェイズで対処しなかったイベントカードに対するペナルティを適用する。
補足説明
このフェイズでは、全ての階級が勝利点を獲得する可能性を秘めているが、その量は階級によって大きく異なる可能性がある。階級次第ではこのフェイズの勝利点がゲームにおける主なポイント源になる可能性があり、別の階級では僅かなボーナスにしかならない場合がある。
ゲームの終了
5ラウンドが終了すると、ゲームは終了する。
プレイヤーは所有している借金を完済する最後の機会が与えられ、最終スコアが決定する。
借金の返済
資本家階級は、保有しているローンごとに-5VPのペナルティを受ける。
他のプレイヤーはまず自分のローンを返済する機会を与えられ、持っているローンごとに55ヴァルディスを支払い、その後ローンカードを捨てる。
支払いを完全に行うことができない場合、できるだけの金額を5の倍数で支払い、支払えなかった5ヴァルディスごとに1VPを失う。
最終ゲームスコアの計算
ゲームが終了すると、各プレイヤーは現在の政治の状態と個人ボードの状態に基づいて追加の勝利点を獲得する。
詳細についてはまた別途記事にする予定。
これらの最終ポイントを適用後、最も高いスコアのプレイヤーが勝利する。
- 引き分けの場合、政策1-5を見て、それぞれのプレイヤーが選んだセクション(労働者階級にはセクションA、中産階級にはセクションB、資本家階級にはセクションC、そして国家は政治アジェンダカードに合ったセクション)において、各プレイヤーが持っている政策の数を数える。
- 最も多くの政策と合致しているプレイヤーが勝者となる。
- そこでも引き分けがあり、国家がその中にいる場合、国家が勝者となる。
- そうでない場合、最も多くの投票キューブをバッグに入れているプレイヤーが勝者になる。
- それでも引き分けの場合、引き分けたプレイヤーで勝者を共有する。
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