【HEGEMONY】中産階級のアクション解説【ボードゲーム】

この記事では、現在キック支援中の政治シミュレーションボードゲーム「HEGEMONY」のルールについて解説していく。

今回はその中でも「中産階級」のアクションについて詳しくみていこうと思う。

この記事を読む前に、HEGEMONYとはどんなボードゲームなのか、ゲームの流れはどうなっているのかを紹介した記事を書いているので、まずはそちらを見てほしい。

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中産階級の概要

中産階級としてのあなたの目標は、あなた自身の企業を運営しながら、基本的なニーズ（食品、健康、教育、娯楽）をカバーすることによってあなたの人々の繁栄を高めることだ。

そのためには、生産、販売、消費の適切なバランスを見つける必要がある。

個人ボードについて

アクションの説明に入る前に、個人ボードの説明をしておこう。

準備フェイズ

準備フェイズでは以下の通りに進めていく。

借金の利息を支払う

自身が持っている借金カードごとに、利息として5ドルを支払う。

繁栄度の低下

繁栄度を2低下させる。

もし繁栄度がトラックの最初のスペースにある場合は、何も起こらない。

繁栄度を増やすと勝利点を獲得するが、減らしたことで勝利点を失うことはない。

アクションカードを引く

自分の山札からアクションカードを5枚引く（手札が全部で7枚になるようにする）。

手札は他のプレイヤーには非公開。

新たな企業カードを引く

手元の市場から任意の枚数の企業カードを破棄し、新たに3枚になるまで企業カードを引く。

新たな労働者の獲得と人口調整

失業者エリアに未熟練ワーカー1体（灰色）と任意の熟練ワーカー1体を追加する（資本家クラスが独自の新しい会社を明らかにするまで待つことができる）。

次に、政治テーブル（政策＃7）の移民政策を確認。

現在有効な政策がBまたはCの場合は、失業者エリアに追加のワーカーを配置する必要がある。

ワーカーのタイプ（熟練または非熟練）は、入国管理カードによって決定される。

現在の政策で指示されているように、移民カードの数を明らかにする（移民がセクションBにある場合は1枚、セクションCにある場合は2枚）。

公開された各カードに示されている中産階級のワーカーを失業者エリアに追加（労働者階級のワーカーは無視）。

公開されたカードは入国管理デッキの一番下に戻す。

労働者階級が同じプロセスを実行し、すべてのカードに両方の階級のワーカーが表示されている場合でも、各階級は他の階級とは別に独自のカードを引く必要があることに注意。

新しいワーカーを追加した後、追加した新しいワーカーの総数（1、2、または3）と同じ数だけ前方に移動して、人口トラックのマーカーを適宜調整する。

アクションフェイズ

基本的なアクション

自身の手番で実行できる基本アクションは以下の通り。

法案の提案

このアクションを実行することにより、現在有効な政策の1つを、ニーズにより適した新たな政策へ変更したいという希望を表明する。

具体的には、「法案マーカー」を現在有効な政策セクションに隣接しているセクションへ配置することで表明する。

通常、このアクションを行なった場合、この時点では何も起こらない。

提案された法案の結果は、ラウンド後半の選挙フェイズで解決される。

しかし、このとき影響力を1使うことによって、プレイヤーは「即時選挙」なるものを行うことができる。

その場合、提案した法案に対し選挙が直ちに行われる（選挙方法は選挙フェイズの「選挙の実施」ステップに従う）。

選挙に勝利した場合はすぐに政策が変更され（政策マーカーを動かす）、通常通り3勝利点を獲得する。

敗れた場合は、法案マーカーを自身の目の前に戻す。

法案マーカーは各プレイヤー3つずつ所有しているので、即時選挙をしない場合は、1ラウンドで3つを超える法案を提案することはできない。

ワーカーの割り当て

このアクションを使用すると、ワーカーを最大3人、雇用可能な企業で働くように割り当てることができる。

その際に適用されるルールが以下の通り。

ワーカーを割り当てた場合、少なくとも1ラウンドは雇用の関係が結ばれたと想定し横に倒すことで、「コミット」していることとする。

ワーカーがコミットしている限り、彼らは他の企業に行かず、賃金も下げられることはなく、企業を売却することができなくなる。

生産フェイズでワーカーが資源を生産するとコミットから外れ、ワーカーを立てる。

企業の設立

このアクションを使用すると、労働者が運営する小さな会社を構築できる。

このアクションを実行するには、市場にある中産階級の労働者が必要な会社を選択する。

これらの労働者は、失業中の労働者エリアにいることも、コミットされていない限り、すでに他の会社で働いていることもある。

あなたが構築できる会社には2つの異なるタイプがある。

中産階級労働者だけで運営されているもの（ただし、労働者階級ワーカーを従業員として取得する場合あり）および2人の中流階級ワーカーによって運営されているもの（労働者階級ワーカーがいない）。

構築する必要のある会社のタイプに関係なく、構築するときは利用できるのは中流階級のワーカーだけとなる。

会社のコストを支払い、そのカードを市場から取り出し、民間部門の中産階級セクションに配置する。

次に、対応するスペースにワーカーを配置し、コミットさせる。

会社に賃金スロットがある場合は、最低許容賃金を設定する労働市場（政策＃2）に従って、スロットに透明マーカーを配置する。

次に、この会社で従業員として働くことができる労働者階級のワーカーが失業者エリアにいる場合は、それをそのスロットに割り当ててコミットすることができる。

そのスロットが未熟練ワーカー用である場合、可能であれば未熟練ワーカーを選択する必要がある。

利用可能な未熟練ワーカーがいない場合にのみ、スロットをカバーするために熟練ワーカーを連れて行くことができる。

民間部門の中産階級セクションは最大8つ。8つの会社スロットがすべて埋められた場合、それ以上会社を構築することはできない。

それでも取得したい場合、既存の会社の1つを売却する必要がある。

同様に、市場にカードが残っていない場合（たとえば、このラウンドですでに3つの会社を構築している場合）、次のラウンドまでこのアクションを実行できない。

企業の売却

このアクションにより、会社を運営する必要がなくなった場合に、会社の1つを売却することができる。

このアクションを実行するには、会社の1つを選択し、それを破棄する。

その会社の労働者は、すぐに失業者エリアに移動。

次に、会社のコストに等しいお金を獲得する。

ワーカーがコミットした会社を売却することはできないことに注意。

外国市場への販売

このアクションにより、商品やサービスを外国市場に販売することができる。

外国市場に売却するときは、ボード上の現在の輸出カードを確認する必要がある。

そこに表示されている取引からいくつでも取引を実行できるが、これらの取引はそれぞれ、各アクションで1回しか実行できない。

また、「商品とサービス」エリアにすでに転送されているアイテムを販売することはできず、倉庫内のもののみを販売できる。

取引ごとに、表示された商品/サービスを支払い、サプライから対応するお金を獲得する。

終了したら、 行った取引ごとに1VPを獲得。

輸出カードに影響力が含まれることはない。

あなたが生み出すすべての影響力はあなた自身の使用のみを目的としており、あなたはそれを販売することはできない。

商品とサービスの購入

このアクションにより、ニーズを満たすために必要な商品やサービスを購入することができる。

購入のルールは以下の通りだ。

例えば、贅沢品が欲しい場合で、それを資本家と外国市場から購入したいとする。現在のプレイヤーの人口が4ならば、資本家から4つ、外国市場からも4つ贅沢品を購入できるというわけだ。

また、あなたは商品やサービスを生産するあなた自身の企業を持っているので、あなたが商品やサービスを「買う」ことができる一つの販売元はあなた自身でもある。

実際、自分が作成した自分の商品やサービスを利用したい場合（たとえば、企業の1つで作成された健康を人々に提供するため）、このアクションで最初に購入しなければならない。

ただし、自分で購入する場合は費用は発生しない。

対応する資源を倉庫から「商品とサービス」エリアに転送するだけだ。

購入できる他の販売元と同様に、1回のアクションでこの方法で転送できるアイテムの数に制限がある（人口数まで）。

また、自分の企業から購入する場合は、同じアクション中に他の1つの販売元からのみ購入できる。たとえば、国家から4つの健康を購入し、自分から4つの健康を購入して、それらを倉庫から「商品とサービス」エリアに移動することができる。

購入したい商品やサービスの価格は販売元に基づいて決定される。

資本家が提供する商品価格は各個人ボード上に記載されている。

外国市場の価格はメインボードの輸入エリアに記載されているが、これらの価格は外国貿易政策（＃6）の影響を受けるため、場合によっては関税が発生する。関税分は国家に支払われる。

国家の価格は、福祉国家：健康と給付政策（＃4）と福祉国家：教育政策（＃5）によって決定される。

国家が商品（食品もしくは贅沢品）を生産する企業を所有した場合、その価格は国家の個人ボードに記され、国家が販売する影響力の価格もまた個人ボードに記載されている。

こうして購入した商品やサービスは、個人ボード上の「商品とサービス」エリアに配置される。

長時間労働

この行動により、あなたは人々に残業を促し、より多くの商品やサービスを生産する。

このアクションを実行するには、コミットされていない中産階級のワーカーがいる企業の1つを選択。

次に、そこですべてのワーカーをコミットし、対応する商品またはサービスを生産。

会社に労働者階級のワーカーがいる場合は、賃金も支払う必要がある。

支払えない場合、あなたはその企業を選ぶことができない。

労働者階級のワーカーだけが従事している企業がある場合でも、その会社を選択することができる。

しかし、労働者階級のワーカーはまったく貢献しないため、その賃金を支払わず、生産で対応するボーナスを獲得しないよう注意。

政治的圧力をかける

このアクションにより次の選挙での政治力を高め、選挙に勝利する確率を上げることができる。

つまり、即座に3つの投票キューブを巾着へ投入する。

フリーアクション

中産階級にとって繁栄度は勝利点に直結する重要な要素となる。

このフリーアクションのいくつかでは、その繁栄を高めることができるので、とても重要なアクションだ。

1繁栄度を得るたびに繁栄度マーカーを動かし、繁栄値に等しい勝利点を獲得する。

ヘルスケアを受ける

プレイヤーは、自身で購入した健康を使い、人々にヘルスケアを受けさせることができる。

具体的には、人口の数と同数の健康トークン（商品とサービスエリア内）を使うことで、1繁栄度、2勝利点および新たな未熟練ワーカー（灰色）を獲得する。

未熟練ワーカー（灰色）は失業者エリアに配置され、個人ボードの労働者数もチェックすることを忘れないように。

教育を受ける

ヘルスケア同様、人口の数と同数の教育トークン（商品とサービスエリア内）を使用して、1繁栄度とワーカー1人を熟練ワーカーへとアップグレードさせることができる。

これはつまり、ボード上の任意のワーカー（企業や失業も含め）を色付きのワーカーと取り替えることを指す。

通常は未熟練ワーカーを教育するが、失業している熟練ワーカーを別の業界の熟練ワーカーに切り替えることも可能だ。

贅沢をする

前２つのアクション同様、人口数と同数の贅沢トークン（商品とサービスエリア内）を使い、人々に娯楽を提供する。

これにより、1繁栄度を獲得することができる。

価格調整

このアクションでは、ボード上のマーカーを移動することにより、商品やサービスを地元市場に販売する価格を変更できる。

賃金調整

このアクションにより、会社で提供する賃金を変更できる。

提供される賃金を変更したいすべての企業について、その透明マーカーを新しいレベルに移動する。

もし賃金を引き上げる場合、ただちにワーカーはコミットされる。

最低許容賃金を設定する労働市場（政策＃2）を常に遵守しなければならないことに注意。

また、コミットした労働者階級のワーカーがいる会社で賃金を下げることはできない。

ワーカーの交換

このアクションは、すでに編成されている労働者たちを任意に再編成することができる。

具体的には未熟練スロットに配置されている熟練ワーカーと、失業者エリアにいる未熟練ワーカーを交換することで、熟練ワーカーをより適切な位置に配置するために行われる。

またこれはすでにコミットされているワーカーも対象で、交換された後も継続してコミットすることになる。

特典を受ける（4人プレイ時のみ）

このアクションにより、国家プレイヤーが国家の利益エリアに置いた利益を即座に得ることができる。投票キューブを取得した場合、直ちに投票バッグに投入される。

このアクションを行うたびに、国家は1VPを獲得することに注意。

借金の返済

自身が持っている借金を返済することができる。

このときの返済額は50ドルであるため、ゲーム終了時より5ドルほどおトク。

支払った後、自身の借金カードを１枚破棄する。

生産フェイズ

商品とサービスの生産

このステップでは、あなた自身の企業の生産と、他のプレイヤーの企業で働くあなたの労働者の報酬を受け取る。

中産階級のワーカーしかいないあなたが所有する企業は、賃金を支払うことなく、表示されている商品やサービスを生産できる。

ただし、あなたの会社の労働者階級のワーカーには賃金を支払わなければならないが、彼らがもたらす生産ボーナスも受け取ることができる。

プレイ順序により、他の会社の労働者に先に賃金が支払われるため、必要に応じてそのお金を使って労働者階級のワーカーの賃金を支払うことができる。

生産した商品やサービスは、プレイヤーボードの倉庫に置かれる。

各倉庫は、それに対応するリソースを最大8つまで保持できることに注意。

ただし、影響力は生産されたときに直接あなたの商品およびサービスのエリアに行き、制限はない。

ニーズの消費

このステップでは、あなたの人口に等しい量の食料を提供しなければならない。

まず、すでに持っている食料（倉庫または商品・サービスのエリアにあるもの）を使用する。

それでも人口全員をカバーするのに十分でない場合、他のどの組み合わせからでも不足分を購入しなければならない。

人口全員に十分な食料を確保することは義務であり、他のプレイヤーが食料を販売していない場合（またはそれらから購入したくない場合）、外国市場から購入しなければならない。

食料を購入するための十分なお金がない場合、まれなケースだがローンを組まなければならない（ローンについては「ローン」を参照）。

他から食料を購入する際には、実際に食料トークンをプレイヤーボードに移動する必要はなく、購入したらすぐにそれらを捨てる。

税金の支払い

このステップでは、国家に２種類の税金を支払う。

1つは、自身で所有していない企業で働いている場合の所得税（Income Tax）であり、もう1つは自身で運営している企業に基づいた雇用税（Employment Tax）である。

所得税
この税金は、現在の労働市場と課税政策（政策2および3）の組み合わせに依存する。自身の企業を除く、労働者がいる企業の数に、この金額を乗じた額を支払わなければならない。正確な金額は以下の表を参照。

雇用税
この税金は、所有している運営中の企業の数と現在の税率に依存します（課税に関する政治テーブルを参照して、値がどのように決定されるかを確認）。支払う必要のある金額は、これら2つの数値の積（掛け算）と等しい。

得点フェイズ

このフェーズでは、繁栄度を高めるための別のチャンスがある。

あなたの繁栄度が、完全に稼働している企業の数よりも低い場合、無料で1つの繁栄度を得ることができる。

中流階級の企業が完全に機能するためには、2人のワーカーがいる必要がある。

中流階級のワーカーが2人いる会社は、デフォルトで完全に機能しています。

労働者階級の労働者スロット（オプション）を持っている会社は、完全に機能するために、追加でワーカーを持っている必要がある。

このフェイズでは、繁栄度をさらに増やすチャンスがある。

もし繁栄度が、所有している稼働中の企業の数よりも低い場合、1繁栄度を獲得する。

中産階級の企業が完全に稼働するには、2人の労働者を必要とする。

2人の中産階級のワーカーを持つ企業はデフォルトで完全に稼働される。

ワーカーの階級が選択可能な企業が完全に稼働するためには、その階級のワーカーがセットされている必要がある。

ゲーム終了時

ゲームが終了すると、追加のVPをいくつか獲得できる。

•政治テーブルの政策＃1‑5を確認。セクションBの政策数に応じて、以下の表のようにVPを獲得できる。

•倉庫内の2 [食料] / 3 [贅沢品] / 3 [健康] / 3 [教育]ごとに1VPを獲得（「商品とサービス」エリアにあるものはカウントされない）。

•あなたのボードに残っている15ヴァルディスごとに1VP。