【HEGEMONY】労働者階級のアクション解説【ボードゲーム】



今回は政治シミュレーションボードゲーム「HEGEMONY」の中でも「労働者階級」のアクションについて詳しくみていこうと思う。

この記事を読む前に、HEGEMONYとはどんなボードゲームなのか、ゲームの流れはどうなっているのかを紹介した記事を書いているので、まずはそちらを見てほしい。

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労働者階級の概要

労働者階級としてのプレイヤーの目標は、人々の繁栄を高めることだ。

それを達成するために、ワーカーを企業で働くように割り当て、賃金をもらい、その資金を持って食品、健康、教育、そして可能であればちょびっとの娯楽のために消費し、ニーズをカバーしていく。

労働者階級のセットアップ

  1. プレイヤーボードを自分の目の前に配置。
  2. 人工トラックの「10」のスペースに透明マーカーを配置。
  3. 繁栄トラックの「0」に透明カーカーを配置。
  4. 30ヴァルデイスと1影響力を獲得し、対応スペースに配置。
  5. 赤法案マーカーを3つとり、ボードの近くに配置。
  6. 労働者階級のアクションカードをとり、シャッフルして裏向きにボード近くに配置。うち、7枚を手札にする。
  7. ボード近くにプレイヤーエイドを配置。
  8. 協同組合農場カード2枚を脇に配置。
  9. プレイヤー数に応じ、会社カードのスロットすべてに同色の労働者階級のワーカーを配置。
    ・2プレイヤー:スーパーマーケット、ショッピングモール、公立病院、公立大学
    ・3、4プレイヤー:スーパーマーケット、大学、大学病院
    ※すべてのワーカーは立った状態で配置すること。
  10. 労働者階級の未熟練ワーカー1体(灰色)を失業者エリアに配置。その後、
    ・2プレイヤー:入国カードを1枚引く。
    ・3、4プレイヤー:入国カードを2枚引く。
    各カードに示された労働者階級のワーカーを、失業者エリアに配置。その後、引いたカードは山札の一番下に戻す。

個人ボードについて

アクションの説明に入る前に、個人ボードの説明をしておこう。

個人ボード説明
  • 人口トラック:上段はワーカーの数を、下段は人口数を表す。人口はこの階級にとって非常に重要なものになっている。その最たる理由として、プレイヤーが特定のアクションを実行する際に必要となる資源の量と、その購入限度を決定するものだからだ。
  • 繁栄:文字通り、労働者階級の繁栄度を示す。人々に健康・教育および贅沢品を提供することで繁栄度が増加。高ければ高いほど多くの勝利点を獲得する。
  • 労働組合:労働者階級は、多くのワーカーが雇用されている産業に労働組合を設立することができる。組合を持つことは、プレイヤーに影響力と追加の勝利点を提供する。
  • 収入:金銭を保管する場所。
  • 商品とサービス:購入/獲得した資源(健康・教育・贅沢品・影響力)が使用されるまで保管される場所。

準備フェイズでの動き

準備フェイズでは以下の通りに進めていく。

準備フェイズの労働者階級の流れ
  1. 借金の利息を支払う
  2. 繁栄度を落とす
  3. アクションカードを引く
  4. 新たなワーカーを獲得し、人口を調整する

借金の利息を支払う

自身が持っているすべての借金カードに対し、利息として5ヴァルディスを支払う。

繁栄力の低下

繁栄度を-1する。もし繁栄度がトラックの最初のスペースにある場合は、何も起こらない。

繁栄度を増やすと勝利点を獲得するが、減らしたことで勝利点を失うことはない。

アクションカードを引く

自分の山札からアクションカードを5枚引く(手札が全部で7枚になるようにする)。

手札は他のプレイヤーには非公開。

新しいワーカーを獲得し、人口を調整する

  1. 失業者エリアに2人、未熟練(灰色)ワーカーを追加する。
  2. 移民(政策#7)を確認する。
    移民政策がセクションBまたはCにある場合、失業者エリアに追加のワーカーを配置する必要があり、置かれるワーカーの種類(熟練もしくは未熟練)は、入国管理カードによって決定される。
  3. 現在の政策の指示通りに移民カードを引く(移民がセクションBなら1枚、Cなら2枚)。
  4. 公開された各カードに示されている労働者階級のワーカーを失業者エリアに追加する(中流階級のワーカーは無視)。
  5. 公開されたカードを入国管理デッキの一番下に置く。

新しいワーカーを追加した後、追加したワーカーの総数(2-4)と同じ数だけ労働者トラックを移動させるのを忘れないように。

アクションフェイズ


注意説明
効果がワーカーに言及するときはいつでも、特に明記がない限り、それは労働者階級のワーカーを指す。

アクションフェイズでは、手札のアクションカードを1枚使用してその効果を発動するか、アクションカードの効果を使わずに以下の基本アクションのうちいずれか1つを実行する。

また、各アクションの前後にフリーアクションを実行することもできる。

基本的なアクション

自身の手番で実行できる基本アクションは以下の通り。

基本アクション一覧
  • 法案を提案する
  • ワーカーを割り当てる
  • 商品&サービスを購入する
  • ストライキを起こす
  • デモを起こす
  • 政治的圧力をかける

法案を提案する

このアクションを実行することにより、現在有効な政策の1つを、ニーズにより適した新たな政策へ変更したいという希望を表明する。

具体的には、「法案マーカー」を現在有効な政策セクションに隣接しているセクションへ配置することで表明する。


補足説明
隣接していない政策セクションへの表明はできない。例えば現在有効な政策セクションがAにある場合、Bを飛び越えていきなりCに置くことはできない。また、すでに別のプレイヤーの法案マーカーが置かれている場合も、同様に提案することはできない。例えば、現在有効な政策セクションがBにあり、別のプレイヤーがすでにCに法案マーカーを置いている場合、新たにAに置くことはできない。

通常、このアクションを行なった場合、この時点では何も起こらない。

提案された法案の結果は、ラウンド後半の選挙フェイズで解決されるからだ。

しかし、このとき1影響力を使うことによって、プレイヤーは「即時選挙」を行うことができる。

その場合、提案した法案に対し選挙が直ちに行われる(選挙方法は選挙フェイズの「選挙の実施」ステップに従う)。

選挙に勝利した場合はすぐに政策が変更され(政策マーカーを動かす)、通常通り勝利点を獲得する。

敗れた場合は、何も起こらない。

勝敗がどちらにせよ、法案マーカーは自身の目の前に戻す。

法案マーカーは各プレイヤー3つずつ所有しているので、即時選挙をしない場合は、1ラウンドで3つを超える法案を提案することはできない。

ワーカーを割り当てる

このアクションを使用すると、ワーカーを最大3人、雇用可能な企業で働くように割り当てることができる。

その際に適用されるルールが以下の通り。

適用要件
  • ボード上のどこからでもワーカーをとることができる。これには、失業者エリアだけでなく、すでに企業で働いているワーカーも含む(コミットされていない限りだが)。
  • 企業は、その企業に必要なワーカー数の全てを配置し運用するか、まったく配置しないで運用しないかの2択しかない。例えば、3人の雇用枠がある企業に1人のワーカーを配置することはできない。つまりは、全ての雇用枠が埋められない場合、そこにワーカーを割り当てることはできない。同様に、企業からワーカーを取って別の場所に割り当てるとき、全ての雇用枠が埋められていないため、残りのワーカーはそこに留まることができず、すぐに失業者エリアに移動する(この処理はアクションの最後に1度だけ行われる。なぜなら、他の企業からワーカーを移動させることもできるため)。
  • 一部の場所では熟練ワーカーが必要になる。それらの場所に配置できるのは、その業界の熟練したワーカー(適切な色のワーカー)のみに限られる。残りのスポットは未熟練ワーカー用だが、ワーカーの色は関係なく配置できる。
献身的な労働者

ワーカーを割り当てた場合、少なくとも1ラウンドは雇用の関係が結ばれたと想定する。

それを示すため、ワーカーを割り当てた後、ワーカーを寝かせることで、「コミット」していることとする。

ワーカーがコミットしている限り、彼らは他の企業に行かず、賃金も下げられることはない

そして、企業を売却することができなくなる

生産フェイズで資源を生産すると、ワーカーは直ちに立ち上がる。

ワーカーの労働組合への割り当て

ボード上の企業にワーカーを配置するのとは別に、個人ボード上にある労働組合にワーカーを置くことができる。

しかし、このアクションを行うためには、少なくともその業界の企業で働くワーカーが4人以上いる必要がある。

労働組合に割り当てられたワーカーは常に「コミット」状態であり、別の場所に移動することはできない。

しかし、ゲームのいずれかの時点で労働組合に属する業界のワーカーが4人を下回った場合、ただちに労働組合のワーカーは失業者エリアに移動する。

労働組合を持つことで、生産フェイズ中、1影響力と2勝利点を獲得することができる。


注意説明

労働組合のワーカーは雇用ではあるが、賃金は得られないことに注意。

商品&サービスを購入する

このアクションにより、ニーズを満たすために必要な商品やサービスを購入することができる。

購入のルールは以下の通りだ。

購入順序
  1. 購入したい商品あるいはサービス(食品・贅沢品・健康・教育または影響力)を1つだけ選ぶ。
  2. 選んだ商品やサービスを提供している4つの販売元(資本家・中流階級・外国市場・国家)から最大2つを選ぶ。
  3. 各販売元から現在の人口数と同数の商品あるいはサービスを購入することができる。

例えば、贅沢品が欲しい場合で、それを資本家と外国市場から購入したいとする。

現在のプレイヤーの人口が4ならば、資本家から4つ、外国市場からも4つ贅沢品を購入できるというわけだ。


注意説明
各販売元は全ての商品あるいはサービスを提供しているわけではなく、またプレイヤーが欲する量の商品を保持しているとも限らない。
以下の表で各販売元が販売する可能性のある概要を示しておく。

購入したい商品やサービスの価格は販売元に基づいて決定される。

資本家中流階級が提供する商品価格は各個人ボード上に記載されている。

外国市場の価格はメインボードの輸入エリアに記載されているが、これらの価格は外国貿易政策(#6)の影響を受ける。

国家の価格は、福祉国家:健康と給付政策(#4)と福祉国家:教育政策(#5)によって決定される。

国家が商品(食品もしくは贅沢品)を生産する企業を所有した場合、その価格は国家の個人ボードに記され、国家が販売する影響力の価格もまた個人ボードに記載されている。

こうして購入した商品やサービスは、個人ボード上の「商品とサービス」エリアに配置される。

ストライキを起こす

このアクションを使用すると、他の2つの階級に賃金を引き上げるよう圧力をかけることができるが、全く応じてもらえないリスクも抱えている。

ストライキを起こすとき、プレイヤーのワーカーが働いている最大2つの企業にストライキトークンを配置する。

ここでの要件としては、「ワーカーがコミットしている」もしくは「賃金レベルが3の企業」を選ぶことができない点だ。

また、公開会社については、国家がプレイヤーによって管理されている場合にのみ選択できる(つまり、4人プレイ時のみ)。

各企業はストライキトークンを1つしか持つことはできない。

生産フェイズの開始時に、賃金レベル3の全ての企業からストライキトークンを破棄する。

しかしもし賃金レベルが1もしくは2の企業にストライキトークンがある場合は、このフェイズで生産がスキップされ、代わりに影響力を1得ることができる。

その後、ストライキトークンを破棄する。


注意説明
もし中流階級の企業に労働者階級のワーカーがいる場合、労働者階級の生産だけがスキップされ、中流階級の生産は通常通り行われることに注意。
ストライキトークンを持つ企業は、いかなる場合でも生産ができない(アクションカードのエクストラシフトも含まれる)。これらのアクションは、ストライキトークンを持つ企業には適用できないが、中産階級のエクストラシフトでは、中産階級のワーカーだけが生産する。

デモを起こす

このアクションを行うと、他のプレイヤーにプレッシャーをかけて企業の設立を促し、労働者階級のために雇用口を増やすことができる。

このアクションを実行するための条件として、失業者数が現在雇用できる企業のスロット数より2つ以上多い場合だ。

この要件を満たしていれば、失業者エリアにデモンストレーショントークンを配置する。

もしその後、他のプレイヤーが企業を設立し、上記の要件を満たさなくなれば、雇用口が増えた(デモが成功した)ので直ちにデモンストレーショントークンは破棄される。

しかし、生産フェイズまでこのデモンストレーショントークンが残り続けている場合、影響力を1得るのと同時に、他のプレイヤーは労働者階級の失業者数+労働組合の数に等しい勝利点を失う

失う勝利点は労働者階級のプレイヤーがどのように配分するかを決定してよいが、ボード上のそれぞれの階級の空いているスペース以上の点は下げられない(つまり、会社が立っていないスペース)。

政治的圧力をかける

このアクションにより次の選挙での政治力を高め、選挙に勝利する確率を上げることができる。

つまり、即座に3つのあなたの投票キューブを巾着へ投入する。

フリーアクション

労働者階級にとって繁栄度は勝利点に直結する重要な要素となる。

このフリーアクションのいくつかでは、その繁栄を高めることができるので、とても重要なアクションだ。

1繁栄度を得るたびに繁栄度マーカーを動かし、繁栄値に等しい勝利点を獲得する。

フリーアクション
  • ヘルスケアを受ける
  • 教育を受ける
  • 贅沢をする
  • ワーカーの交換
  • 特典を受ける(4人プレイ時のみ)
  • 借金返済

ヘルスケアを受ける

プレイヤーは、自身で購入した健康を使い、人々にヘルスケアを受けさせることができる。

具体的には、人口の数と同数の健康トークンを使うことで、1繁栄度2勝利点および新たな未熟練ワーカー(灰色)を獲得する。

未熟練ワーカー(灰色)は失業者エリアに配置され、個人ボードの労働者数もチェックすることを忘れないように。

教育を受ける

ヘルスケア同様、人口の数と同数の教育トークンを使用して、1繁栄度ワーカー1人を熟練労働者へとアップグレードさせることができる。

これはつまり、ボード上の任意のワーカー(企業や失業も含め)を色付きのワーカーと取り替えることを指す。

通常は未熟練ワーカーを教育するが、失業している熟練ワーカーを別の業界の熟練ワーカーに切り替えることも可能だ。

贅沢をする

前2つのアクション同様、人口数と同数の贅沢トークンを使い、人々に娯楽を提供する。

これにより、1繁栄度を獲得することができる。

ワーカー交換

このアクションは、すでに編成されている労働者たちを任意に再編成することができる。

具体的には未熟練スロットに配置されている熟練ワーカーと、失業者エリアにいる未熟練ワーカーを交換することで、熟練ワーカーをより適切な位置に配置するために行われる。

またこれはすでにコミットされているワーカーも対象で、交換された後も継続してコミットすることになる。

特典を受ける(4人プレイ時のみ)

このアクションにより、国家プレイヤーが適切な国家福利厚生エリアに配置した利益を受け取ることができる。投票キューブを取得した場合、それらはすぐに袋の中に配置される。

ただし、このアクションを実行するたびに、国家は1勝利点を獲得することに注意。

借金返済

自身が持っている借金カードを1枚返済することができる。

このときの返済額は50ドルであるため、ゲーム終了時より5ドルほどおトク。

生産フェイズ

商品とサービスの生産

このステップでは、企業に属しているプレイヤーの労働者に賃金が支払われる

このときもし協同組合農場を有しているなら、それぞれ2食料を生産する。

また、有している労働組合ごとに1影響力を獲得する。

すべての企業で生産を終えた後、コミットされたすべてのワーカーを起こす(コミットされていない状態になる)。

ニーズの消費

このステップでは、人口に等しい数の食料をすぐさま用意しなければならない。

もし協同組合農場や国家によって提供された食料があるならば、最初にそれを使って残りを購入すること。

このステップにおける人口数の食料は必須であり、もし他のプレイヤーが食料を販売していないならば外国市場を利用し、それでもお金が足りなければ借金を組まなければならない。

税金の支払

このステップでは国家に税金を納めなければならない。

この税は現在の労働市場政策(#2)課税政策(#3)の組み合わせで決定される。

組み合わせに則して、その数に現在の人口数を掛けた金額が支払い金額となる。

得点フェイズ

このフェイズでは労働組合数によって勝利点を獲得することができる。

所持している労働組合ごとに2勝利点を獲得する。

ゲーム終了時

ゲームが終了すると、追加でいくつか勝利点を獲得することができる。

注目するのは政治テーブルだ。

#1から#5の5つの政策のうち、セクションA(社会主義)の数によって追加の勝利点を獲得する。

また、個人ボード上に残っている10ヴァルディスにつき1勝利点を得る(最大15VP)。

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